Monday, January 28, 2008

雪がよく降ります

 この冬のオリンピアの天候は例年になく異常です。人から聞かれると、「オリンピアは夏は涼しく、冬は毎日雨が降り続くことを除けば、比較的暖かく温度も氷点下に下がることはありません。」と説明しているのに、昨年から今年にかけての冬は、晴天と雪の繰り返しと言った感があります。
 
 昨年末から今年にかけて無茶苦茶忙しく、週末もろくにゆったりした時間を過ごすことが出来ませんでした。その割りには思っていたことの半分ほどしか達成感がなく、別の理由もあって最近は精神的スランプにおちいっていました。心の状態というのは天候に大きく影響されるようで、晴れている時はなんとなく心も明るくなるのですが、曇ったりするともういけません。気持ちも暗くなります。先週の土曜日は朝からオリンピア港近くのバドフォード&ブロンソン・キャフェまでマグカップを買いに出かけたのですが、空は暗く、気温も氷点下でした。そうなると枯れ枝のカラスも道端のカモメも何となく「春待ち」顔に見えます。本当は、「餌待ち」してただけかもしれないんですが。ただ、この時期は閉店していて閑散としたファーマーズマーケットの屋根上の「風見豚」だけはなんとものんびりと冷たい風に吹かれているように見えました。太っているからなんでしょうか。気分転換に車のCDをかけると、さだまさしの「鐘楼流し」が流れてきました。「こらあかん、もっと気が滅入るわ」と次を押すと、今度は「無縁坂」。あわてて次のCDボタンを押して、サラ・ブライトマンにかえました。

 話が横道にそれました。心の異常ではなく、天候の異常です。温暖化現象が叫ばれている一方で、なぜ冬場の気温が低くなるのかは知らないのですが、とにかく今年は雪がよく降ります。昨日の晩から雪になり、今日も雪が積もっています。天気予報ではここ3日間連続で雪が降るそうです。オリンピア(だけでなくシアトルもですが)は普通なら雨は半年間降り続くが、雪はめったに降らないという所ですから、雪には極めて弱い町です。主要な道は市役所が除雪したり、融雪剤をまいたりして確保しますが、それ以外のところは雪が積もったままです。もちろん、そんな道路は地域の住民が除雪するのが雪国なら当たり前なんですが、オリンピア住民はそんな除雪道具も知識も持っていません。車のタイヤもノーマルタイヤですから、アイスバーンになるとスリップするので出かけられません。私は仕事の関係上雪道を越えて出張することが度々あるので、冬になるとスタッドレスタイヤに交換しているので大丈夫。(タイヤ屋さんの話では、「アイススケートリンクの上でもスパイクタイヤと同程度の性能を発揮すると証明されているタイヤ」だそうです。)ですから、ちょっと雪が降ると学校は休みになります。小学校のみか中学・高校まで校区の学校がいっせいに「雪のため休校」です。(大人も仕事を休む人が沢山います。)子供達はうれしいでしょうが、私のような日本人には不思議です。だって、雪といってもせいぜい5センチもあるかないかですし。歩いて行けよ、といいたくなります。でも、すべてが車に頼る社会で、普段から歩いての通勤、通学などをする人は極めて少数派、多分0.0何パーセントといったところでしょうから、車が走れなくなるとすべてがストップします。自家用車もスクールバスも「事故の危険がある」ということで自粛し、学校も休校になるのです。これが雪国だとそれなりの対策があるのですけど。これはシアトルの街も同じです。ただ、今日のシアトルは雲ってはいますが、雪はまだ降っていません。シアトルの北とオリンピアがある南の方では雪が積もるほど降っていても、シアトルでは雪にならない場合が良くあります。地形のせいか都市から排出される熱エネルギーのせいかは分かりませんが、シアトル市内の気温は他地域に比べてたいてい3度くらい高いのが普通です。

 事務所があるシアトルのビルの駐車場も今日はガラガラ。この分だとオリンピアまでの帰り道は渋滞もせずすいすい走れるかもしれません。