Saturday, June 28, 2008

Pegasus



 三日前に、事務所でインターをしてくれているSatomiとYukoを連れて、ウエスト・シアトルのアルカイ・ビーチ(Alkai Beach)にあるPegasusというレストランに昼食に行きました。
















 ウエスト・シアトルというのは、シアトルのダウンタウンから見るとエリオット湾(シアトルのウオーターフロントになっている湾)をはさんで真西にあります。ここに行くには、橋で渡るか水上タクシーで湾を渡らなければなりません。ウェスト・シアトルからはシアトルのダウンタウンが一望できるので、観光ツアーのコースのひとつになっています。
 それはともかく、Pegasusは、パイとサラダで有名な店です。パイクレストと呼ばれるパリパリというか薄べったいパイ生地ではなく、パン生地をうすく広げて作ったもので、ふんわりとした食感が最高に美味しいんです。サラダも色々なドレッシングのものがあり、どれも美味しいですが、私はここのシーザースサラダが一番気に入っています。  
















アルカイ・ビーチはウエスト・シアトルの岬の突端にあり、ピュージェット湾に浮かぶ島や対岸のオリンピック半島やオリンピック山脈をみることが出来る絶景の場所です。もう少し暖かくなると外での食事が最高なのですが、この日は少しうす曇りでしたので、室内で食べました。  以前のペガサスは現在の店の隣にあって、店内は少し古ぼけていたのですが、新装成ったペガサスはギリシャっぽいなかなか凝った内装をしています。是非一度試してみてください。

Saturday, June 21, 2008

The Rose

 1981年に、OlympiaにあるThe Evergreen State Collegeに留学した時、最初入った大学の寮があまりに騒がしかったので、逃げ出して下宿しました。当時は大学院に留学生がまったくおらず、日本からの留学生は大学全体でも私だけということもあって、みんなが日本のことを聞きに毎晩のように部屋に押しかけてきました。その頃は、日本がどこにあるのかすら知らないアメリカ人がほとんどでした。アメリカに戦争で負けた東洋の小国(と日本人自身も考えていた)が、アメリカの自動車業界を席巻しつつあった時代で、日本に対する関心が、急速に高まっていたからです。

 下宿先はForth & Thomasの角にあったピンクの家(今は立てかえられて緑になっていますが)でした。いま住んでいる所から自転車で5分くらいのところです。高齢だった家主さんの母親のための別棟だったのが、その母親が亡くなって私が借りたわけです。正面の大きなガラス窓から、通りを挟んで教会の大きな樅の木が見え、その木々の間に氷河を頂くレニエ山が美しく輝いていました。

 宿題は分厚い本を最低3日に一冊は読んでレポートしたり、教室で議論したりというものだったので、それをこなすのが精一杯の日々を送っていました。授業のない時は、毎日部屋にこもりっきりで、日本から持ってきたソニーのポータブル・ステレオ・ラジオをオールディズに選曲をあわせかけっぱなしにしていました。

 The Roseという歌を初めて聴いたのはその頃のことです。この歌を聴いた瞬間、なんとも云えず感動して、自然に涙が出てきたのを覚えています(今でもうっかり聞くと涙が出ますので、人前では聞かないようにしています。非常に涙もろくって、「のだめカンタービレ」のような漫画チックなテレビドラマや宮崎駿作品を見ても涙するくらいです)。歌のタイトルや正確な歌詞を知りたくても、当時はインターネットといった便利なものがありませんでしたから、人に聞くか図書館で調べるしか方法はありませんでした。そのためにも、ある程度、歌詞が分からないといけない。この歌がかかるたびに歌詞を筆記して(ヒアリング能力がなかったので1回ではとてもディクテイトできなかったんです)、メロディを覚え、下宿のルースおばさんに聞きましたが、分かりませんでした。それでも当時行っていた教会の友人に聞くと、それは“The Rose”といって、映画“Rose”の主題歌だと教えられました。でも、レコードを買いに行くにもお金がなかったし、テープに録音するにも、テープを買うお金もなかったので(本当に貧乏だったんです)、歌詞だけを書いてもらって大切に持っていました。


(Westlife-The Rose)

 “Rose”は1979年にBette Midler主演で制作された映画です。1960年代に酒と麻薬におぼれながらも歌い続け27歳で夭折した女性ロックシンガーのジャニス・ジョブリンへのオマージュ映画です。”The Rose”は、その映画のエンディングソングとして使われました。それを都はるみが「愛は花、君はその種」というタイトルで、日本語でカバーし、宮崎駿製作・高畑勳監督作品の「おもひでぽろぽろ」のエンディングとしても使われました。

 1960年代はベトナム反戦運動、キング牧師を中心とした公民権運動、世界的な学生運動、そしてヒッピーなどが起こった時代で、より良い社会への変革が強く求められた時代でした。自由、平等、愛など人間について、深く考えた時代でもありました。いや、今もそれは変わらないですが、異なっているのは、それをみんなが真正面から取り上げ、素直に語り、自分たちの信念に基づいて突っ走った時代でした。余談ですが、インターネットもこの時代に反権力のひとつの手法として考案され発達してきたものです。

 少し長くなりますが、歌詞の原文を載せておきます。中学校で習う程度の易しい英語で、こんなにも優しく、力強い表現ができるんです。人の心を打つ言葉とは、本来、優しいもののはずですから、「やさしい」のは当たり前のことですね。


Some say love it is a river
That drowns the tender reed.
Some say love it is a razor
That leaves your soul to bleed.

Some say love it is a hunger
An endless, aching need
I say love it is a flower,
And you it's only seed.

It's the heart afraid of breaking
That never learns to dance
It's the dream afraid of waking
That never takes the chance

It's the one who won't be taken,
Who cannot seem to give
And the soul afraid of dying
That never learns to live.

And the night has been too lonely
And the road has been too long.
And you think that love is only
For the lucky and the strong.

Just remember in the winter
Far beneath the bitter snow
Lies the seed that with the sun's love,
In the Spring becomes the Rose

(作詞・作曲:Amanda McBroom)

Monday, June 16, 2008

夏が来ました!

 随分とブログをサボってしまいました。3月の年度末に経費削減ということで私の事務所の人間が一人減ってしまいました。いや、仕事が減ったり、サボっていたからというわけではないんです。仕事はいままで以上にありますし、人員は減らされるどころか増やしてもらいたいくらいなのですが。親会社の意向ということでいたし方ありませんでした。そのため、4月の新年度にかけて、事務所の体制を立て直したり、いままで以上に多い日本からの訪問者に対応したりしていて、ブログをかかなくてはと思いつつ日々が過ぎてしまいました。四月初めに書いたのを最後に力尽きたという感じでした。まあ、言い訳はこのあたりで終わりにして。


















 オリンピアの夏は突然やって来ます(といっても、これは気候のことですから、シアトルも含め、ピュージェット湾地域からオリンピック半島一帯にかけて同じですが)。日本では、昔から「三寒四温」と言われているように、暑さも寒さもじわじわとやってきます。冬が過ぎ、少し暖かくなったかと思うと、また寒さがぶりかえす。でも、それを繰り返しながら、確実に暖かくなり、春になります。同じように、春から夏も徐々にやってきます。今年は、もう28度とか30度という気温の日が続いているようですが、それでも、初夏があり、梅雨があり、盛夏がやってきます。

 オリンピアでは事情が異なっています。四季というものが日本のようにはっきりとはありません。アメリカの他の地域に比べれば、春らしきものと秋らしきものがあります。その点では日本に似ています。地球温暖化のためか、世界的に気候がおかしいとはいえ、基本的にはこの気候はかわりません。でも、このあたりの気候は、春夏秋冬で区分するよりは、雨季と乾季で区別するほうが良いようです。夏場は乾季で雨がほとんど降らず、冬場は雨季で晴れ間がほとんど見えません。その間が、雨季から乾季と乾季から雨季への移行の時期にあたります。

















 この雨季から乾季への移行と乾季から雨季への移行が劇的に行われるのがこのあたりの天候の特色です。長くオリンピアに暮らしていると、「あ、今日から夏や」とか「ああ、夏は終わった」(つまり半年間続く雨季になった)というのが分かるようになります。今年は少し異常で、3月にそのように感じた日があったのですが。考えてみれば、いくら早くても、乾季への移行は5月末から6月はじめですからちょっと慌てすぎたんですね。

 今年の乾季への移行日は、6月11日水曜から12日木曜へかけてでした。写真でも分かっていただけるように、シアトルの事務所から撮ったピュージェット湾は雲に覆われどんよりしています。これが11日。翌12日にオリンピアのファーマーズマーケットで撮った写真は晴天!犬もご機嫌!今日は16日月曜の早朝ですから、これで5日間快晴の日が続いています。もう、雨が降ることは秋(10月から11月)の頃までないでしょう。なぜ、そう思うかというと、真夜中も空に雲がないからです。


















 雨季から乾季への移行は、まず、終日(昼も夜も、朝も晩も)厚い雲で覆われていた空が、午後になると雲の厚みが減ってうっすらとした明るさ雲全体に広がることからはじまります。それがしだいに午前中にそのようになり、そのうちに、空を覆っていたうす雲が切れて、青空がのぞくようになります。それでも、夕刻から夜になると雲が増え、雨を降らせます。その夜の雲もだんだんと減って、星空が見えるようになり、最後には、夜空にも雲がかからなくなります。これが夏!24時間晴れ!の乾季、つまり夏です。その最後の雲が切れたのが、6月12日の夜でした。当日は美しい月と星が輝いていました。


















 その逆に、乾季から雨季への移行時には、前日まで晴れていたのに突然空が雲で覆われ雨が降り、二度と雲が空から切れなくなります。昼は曇ったり雨が降っているのに、夜になると星空が広がるという時期があって、だんだんとその星空もなくなり、ついには24時間雲に覆われた空になります。くら~い雨季の本格的到来です。


















 まあ、半年後の雨季の話はここではやめましょう。これからもっとも光が美しい季節になります。日も長くなります。最後の写真は自宅前の樹と青空です。午後8時40分頃に撮りました。