Monday, October 15, 2007

マカ族居留地訪問


 9月24日にブログを書いてから、あっという間に時間が経ってしまいました。ここの処、色々なことが重なり、もう目が回るほどの忙しさでした。そのあたりの事情はおいおいにお話していきます。

 9月28日にマカ族居留地(地名で言えば、Neah Bay)に、木材や農水産物を活用したマカ族の経済開発に関する相談に行ったときの話です。話というよりは、写真を中心に、シアトルに住んでいる人でもめったに行かないマカ族居留地の風景をご案内します。(マカ族居留地については、「シアトル便り」のU子さんが、「アメリカ最西端のネイティブアメリカン“マカ族”を訪ねて」を書いておられます。)


 Neah Bayはワシントン州(アラスカを除くアメリカ合衆国)で最も北西部に位置しています。北はカナダとの国境になっているファン・ド・フカ海峡に、西は太平洋に面しています。ここに行くには、シアトルからならフェリーでベンブリッジ・アイランド経由でオリンピック半島に渡り、そこから北上してポート・エンジェルスまで行き、後は山道をひたすら西に走ります。この日は、単独ドライブでしたから、私が住んでいるオリンピアからR101(ルート101)でピュージェット湾の西沿いにポート・エンジェルスまで北上しました。オリンピアからマカ族居留地までは185マイル(約300キロ)です。写真はポート・エンジェルスを出て、山道にかかる前の田舎道です。

 Neah Bayに至るまでに、シーキューというリゾート地があります。オートキャンプ場や長期滞在型の施設があり、ヨットハーバーがあります。
 ヨットハーバーのはるか向こう、雲の下に見えるのはカナダ領のバンクーバー島です。この日はすばらしい晴天でした。シーキューを過ぎると後は海岸沿いの山道をひたすら走ることになります。樹木の切れ目からは紺碧の海と空、そしてバンクーバー島を見はるかすことが出来ます。
 日本の海岸線、特に日本海と比べてこの辺りには奇岩が余りありません。でも、地元では”Sail and Seal"(帆とアザラシ)と呼ぶ二つの岩があります。写真の左が”Sail"、そして右が”Seal"です。アザラシに見えない!そうなんです。もともとはこの岩の左側にアザラシの頭の部分があったのですが、崩落して今は胴体部分の半分しか残っていないんです。それでも名前は、やはり、”Seal"。
 オリンピアを出て、オリンピック・ナショナル・パークの東側の山裾を101号線に沿って北に走っている間は、濃霧でしたが、セクイムにつくあたりから青空が見え出しました。ポート・エンジェルスを過ぎて、Neah Bayまでの一本道になる112号線に入った頃には、ぬけるような青空が空いっぱいに広がりました。樹木を通して見えるファン・ド・フカ海峡は紺から碧に変化する水面に青と銀の混じったさざなみを立て、樹木はきらきらと緑に輝いていました。どこまでも透明に光る水と空と木々に囲まれていると、云いようもない孤独を感じます。この孤独は、見渡す限り荒涼とした砂漠の中で、満点の星を眺めながら感じる孤独とは異質なものです。砂漠では、小さな人間を押しつぶそうと挑みかかる荒々しい大自然に対して、唯ひとりで立ち向かう寂しさを感じます。でも、ノースウェスト(アメリカ北西部)のひかり輝き、透きとおるような優しい大自然の中では、私という存在が光にとけ込み、いつしか消えてしまうような不安を感じます。砂漠での孤独はともに戦う友を求め、ノースウェストの美しい自然を前にした孤独は傍にたたずむ友を求めるのでしょう。

1 comment:

香代子 said...

わぁー、自然がいっぱいですねぇ! でもGinnさん、このトリップは、まさか日帰りですか?? 

シーキューのサインの下の、ミニスカート(それともビキニ?)をはいたお魚が、とぉーっても気になります!