Thursday, May 10, 2007

一番美しい季節

 オリンピアを南端としてピュージェット湾で囲まれた地域をピュージェット・サウンド・エリアと呼び、シアトルはその中間にある。この地域が一年中で一番美しく彩られるのが5月だ。

 ワシントン州やオレゴン州は東海岸のメイン州やマサチューセッツ州と同様、四季があると言われる。3月初めあたりから花が咲き出すし、11月ともなれば樹木が紅葉する。しかし、日本で生まれ育った者の感覚からすると日本のようにはっきりとした四季がないように思う。
 それにはいくつかの理由がある。まず、この地域は一年を通じて温度の高低差があまりない。だいたい摂氏で4度から25度くらいの間にあると考えていい。
一番寒い12月から1月頃でも最低気温が氷点下になることはあまりなく、7月から8月の夏の盛りでも温度が30度を超えることはめったにない。6度くらいをさかいにして寒いか涼しいか、18度くらいをさかいにして暑いか暖かいかが分かれるように思う。暦の上での春(3月から5月)の時期でも温度は4度から15度くらいの間で変化する。そして乾季は湿度が大変低く、紫外線が強い。だから、陽がさして温度が上がり18度をこえるような日には、うららかな春というよりはきらきらと光る夏を感じる。













 
 二つ目の理由は、この地域がかなり北に位置しているため、春分と秋分をさかいにして、昼夜の長さが日本と比べて極端に長くなったり短くなったりする。だから、春分を過ぎてしばらくすると日が長くなり、もう夏だと錯覚することになる。昨日は午後8時半頃に山の向こうに夕日が沈んだ。

 最後の理由は、一年のうちの半年間は雨季、後の半年間は乾季という気候によるように思う。10月後半から始まる雨季になると雲が立ちこめ、雨が降り、陽がさすことがほとんどなくなる。一方、4月後半からの乾季になると雲ひとつなく輝くばかりの青空が広がる。だから、この地域の人々にとって、暗い曇天と雨の日は冬、明るい陽ざしを浴びる日は夏という感覚になる。

 話の横道が長くなったけれど、このような気候の地域が一番美しく彩られるのが5月だ。3月頃からクロッカス、パンジーなどが咲き始め、それに続いて、水仙、チューリップなどの花が咲き、梅、桃、桜がいっせいに咲き始める。それが終わると、野草から樹木にいたるまで、あらゆる花が咲き始める。もくれん、おおでまり、藤、ライラック、西洋ハナミズキ、つつじ、バラ、テッセンなどがいっせいに花開く。それが5月。特に、ワシントン州花である色とりどりのシャクナゲが、人家の庭、公園、山、野原などに咲き乱れる様は艶やかの一言だ。この花が終わる6月ごろから、ピュージェット・サウンド・エリアは輝く青空と緑の濃淡一色になる。

(写真説明)

 上から左、右の順に、近所の家と空、シャクナゲ、おおでまりとシャクナゲ、白い西洋ハナミズキ、紅い西洋ハナミズキ、白いライラック、紫のライラック、そして、名を知らない雑草

2 comments:

竜王 said...

本当に緑が綺麗ですよね~!
ワシントン州もオレゴン州もまだ一度しか行った事がないので、またそのうち行ってみたいものです。

Ginn said...

竜王さん、是非いらしてください。その時はご連絡ください。ご案内します。