Sunday, September 16, 2007

ニューオリンズの香代子さん

 先日、ニューオリンズに行った際、兵庫クラブのニューオリンズ支部幹事の香代子さんに会いました。(ブログ「ニューオリンズ便り」を書いておられます。)行きはシアトル発シカゴ経由のユナイティッドで行ったのですが、シカゴ空港で乗り継ぎ便が送れ、3時間も空港で待たされました。 ニューオリンズ空港への到着がずいぶん遅くなったのに、香代子さんに空港まで迎えにきてもらい大感激でした。その上、ご自宅に泊めていただきました。ブログで知ってはいましたが、生まれてはじめてプール付きの豪邸というもので休ませてもらいました。
 泊めてもらった部屋には、NFLで活躍されていたご主人(シアトル・ホークスでも2年間プレイしていた。ポジションはディフェンスバックのセイフティ)の写真やヘルメット、香代子さんのブロードウェイ時代のポスターや衣装が飾ってあり、「えー、すごい人の家に泊めてもらっているんや!」とまたまた大感激。

 ご主人のトム(Thom)はアメリカ人とドイツ人の間に生まれた白人系2世のお父さんと日系アメリカ人のお母さん(日系3.5世)(彼女のお母さんが2世、お父さんが1世)だから、日系4.5世ということになります。この辺りがアメリカはややこしい! NFL引退後、今は、Tulane大学アメフトチームのディフェンシブ・コーディネーター、つまりディフェンス側コーチの親分です。そして、ハンサム。

 香代子さんは、ブロードウェイでキャツや王様と私など有名ミュージカルで準主役級の役を演じてこられた実力派のミュージカルスターでした。聞くところでは、香代子さん以前にブロードウェイで活躍した日本人は、40年前に「フラワー・ドラム・ソング」に出演したナンシー・梅木さんだけだったそうです。(ナンシー・梅木さんは、本名を梅木美代志といい、日本人ではじめてアカデミー賞助演女優賞をとった人。今年の8月28日にミズーリ州で78歳の生涯を閉じられた。)

 香代子さんの役は白い猫。他の猫たちを従えて踊る姿はとても印象的でした。ブロードウェイミュージカルのスターだったと言うことでも圧倒されるのに、案内していただいた居間には彼女が作った陶芸作品がぎっしり。それも玄人はだしで十分個展ができるじゃないかと思うほどです。作品には絵付けがされているものもあり、それがまたとても素敵です。もちろん香代子さんが描いたもの。聞いてみると墨絵も描かれるとのこと。それで驚いていると、今度は、「私小説を書いていて、この前、第三回読売新聞Woman’s Beat 大賞に応募したら入賞したんです」とおっしゃる。ここまで来ると、「ひぃえ~」という感じです。(作品の「自分を信じて」を読ませていただく時間がなかったのが残念です。)陶芸の方も本格的にされる予定だそうで、作業部屋にしているガレージにはなんと陶芸用の電気釜まで買い込んであるんです。「今のうちに作品を買わせてもらおう。将来、きっと値が上がる」なんてせこい事を考えてしまいました。

 バレリーナ、ブロードウェイ・ミュージカル・スター、陶芸家、墨絵師、小説家、そして優しくて美人!

 さだまさしの「無縁坂」の一節ではないけれど、「運がいいとか、悪いとか、人は時々口にするけど、そういうことって確かにあると、あなたを見てそう思う。」

 母は私が幼い頃から、「天は人に二物を与えず」って教えてくれたけど、これって特別な才能も美貌も持たない私への慰めと励ましだったんだなぁ~と実感しました。  でも、すばらしい人に出会えたことを感謝しています。

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